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第4−2話 G2連続フィレット作成手順   (07/12/3掲載)

では、Pro/ENGINEER Wildfire2 Foundation advantage(現在はFoundation XEと言うようです)パッケージでG2連続フィレットを作成する手順について紹介します。

図解で手順を追って行きましょう。初めに基本形状を作成します。フィレットを追加するエッジに対して、下図の処理をします。視覚参考用に描いたRのカーブは無くてもOKです。先ずは、R尻境界カーブを求めましょう。可変断面スイープでフィレットを付けたいエッジを軌道にし、欲しいR値の円筒形状を作ります。円筒とR尻が出来る面に交差で境界カーブを求めます。
手順1図

下準備が出来たところで、フィレット形状の境界カーブの作成に入ります。
手順2図 手順3図
境界にするカーブは点通過カーブコマンドを使います。この図では両端の2点を通り、接するサーフェスに曲率連続となるオプションを指定しています。更に、カーブ中央付近が扁平にならないよう、ツイークオプションでカーブのコントロールポイントを増やし、滑らかな形状になるよう調整しています。調整が数値指定出来ないのが残念ですが、曲率表示を見ながら、調整します。コントロールポイントをもっと増やして、曲率分布が上端が扁平なうちわのような形になるのが理想ですが、中央1点のコントロールポイント追加で、右図のような中央になだらかな突起のあるさかなの尾びれのような形になれば、大体綺麗な形になっています。ツイークオプションを使わない手として、通過点を増やす方法もあります。中央通過点の位置を割り出すには、参考Rスケッチを円錐曲線円弧コマンドでスケッチし、rho=0.45程度を指定し、そのカーブの中点を用いると良いでしょう。

更に対向する位置の境界カーブも作成しましょう。投影出来る場合は投影で、抜き勾配などがあり投影困難な場合は前述同様の手段で作成します。
手順4図 手順5図
出来上がった境界カーブを用いて、境界面を作成します。例題では平面同士のエッジにフィレットを付けていますので、境界は4つ作成して境界面を作成していますが、曲面同士のエッジにフィレット処理をする場合は、適宜途中にカーブを追加します。R尻になるカーブを第一方向、両端のR形状カーブと途中通過するカーブは第二方向にするのが良いと思います。出来上がった境界面を用いて、ソリッド化しましょう。これでエッジに対してG2連続のフィレットが出来ました。更にこれら操作を応用し、他のエッジも順次処理し完成形状を作成します。

可変断面スイープでも、綺麗な外観を作る事が出来そうですが、関数リレーションを理解しないと、コントロールが難しいです。考えた通りに簡単にG2連続フィレットを作るには、この手法は便利ではないでしょうか。ISDXパッケージを買うのは、結構な負担ですので…(現在40%オフのキャンペーン中ですが63万円です!)。