株式会社AccuTech



第3話 スケルトン(マップパート)   (07/07/10掲載)

皆さんは、Pro/Eで製品の設計をする場合、パート(部品)ごとの関連をどう取っておりますか? ここでは、トップダウン設計手法の簡単な具体例を見ながら、スケルトンパート(マップパートとも言われます)を利用した設計スタイルの概念をご紹介致します。下の図をクリックしてZIPデータをダウンロードし、適当なところに解凍してください。出来たファイルのcabinet.asmを開いてください(WildFire2で作成しています)。

CABINET_ASM図

モデルはAV機器などの筐体をイメージしています。まずツリーを確認してください。スケルトンとしてmap-cabinet.prtを組み付けています。各パートデータはトップアッセンブリー及びスケルトンとのみ、参照やリンクの関連を取るようにデータを構築して行きます。スケルトンには、形状の基本となるスケッチやサーフェス、動きを規定するスケッチやデータムを作りこみます。

上図のスケルトン内の点は、ドアー動作をコントロールする点です。その前のスケッチで動作範囲を規定し、カーブ上に比率使用で点を作成します。出来た点にドアー取り付け基準となるデータム平面を作成し、その平面にドアーを組み付けます。ドアーの表面サーフェスをスケルトンからコピーする時、ドアーの回転に伴い形状が崩れないよう、依存を独立に指定したマージを利用します。

では、スケルトン中の「DOOR_MOVE」ポイントの値を0〜1間の任意の値に変更し、再生をしてみてください。ドアーが動きますね。同じような事を、組立の方向指定で回転量をいくつも指定しておき、それらを再定義で切り替えて擬似的に動きを計算させる事も出来ますが、あまり応用が利きません。ご紹介している方法は、スケルトンの修正で動きの範囲を一義的に決定出来ます(理解しやすいと思います)。応用すれば、動作に追従するフレキシブルケーブルなどのモデリングも出来ます。

他の部品もスケルトンとどのように関連付けされているか確かめながら、スケルトンの寸法を変化させてみると、その機能と長所が理解出来ると思います。よくBBSなどでこの類の質問を見かけますが、文章による説明が多く分かりづらいですね。具体例を見て頂けば、一目瞭然だと思います。

ご参考になりましたでしょうか。。。